ちゃんこ葱(TSX-507)1枚目
ちゃんこ葱(TSX-507)2枚目
ちゃんこ葱(TSX-507)の作型カレンダー
作型表を参考に貴地に合わせて栽培してください

ちゃんこ葱(TSX-507)

食味良好、香り絶妙、風味抜群な中小(ミニ)ネギ (周年各作型)

特性

 通常の中小ネギと比べて、葉身、葉鞘部ともに太く生育しながら軟らかで、加熱調理時の自然な甘みは絶品。一本ネギと比べ細身なので、火の通りが早く、軟らかさと甘みのある食味を鍋料理、炒め物、おひたし、バーベキューなど多くの料理でいつでもおいしく楽しめる。
通常の小ネギ品種と比較し、非常に多収。中ネギとして栽培した際の収量性にも優れる。
直播栽培は株間、条間10-15cmに5-10株(9515マルチ使用等)およびチェーンポットを用いての移植栽培等、多くの栽培法が利用可能。

栽培上の注意

アントシアンの発生はないが、厳寒期(5℃以下)や酷暑期(30℃以上)は生育が緩慢になる。施設、トンネルを用いて、ほぼ周年栽培が可能であるが、春秋収穫、施設資材を用いた冬収穫に特に好適。
 冬から春には透明もしくは銀ネズのマルチ。3月彼岸までは穴あきの農PO 0.05をトンネルに使用した方が生育がスムーズにいく。彼岸以降はスリップス避に防虫ネットをトンネルに用いると良い(確実に防ぐには0.6mm目合が必要)


播き時期

12℃から22℃の時(長袖シャツ1枚で快適)に生育旺盛になり、5℃以下、25℃以上では生育停滞するのがネギの基本生理。
 この温度条件の時期を見計らい露地栽培すると、関東では、4から7月、9から11月。
 施設を用いる場合、管理次第で幅広く栽培可能。

播種方法

 直播にも対応しますが、栽培管理の計画を立てやすいポット育苗をお勧め。
 128穴ポットや220穴ポットを用いて1穴あたり5粒から10粒播種。培土はガッチリくんネギ用ならば無追肥で育苗可能。
チェーンポットを用いる場合は3粒/1穴が標準的(CP303使用)。

植え付け

本葉3枚目が展開し終わり、本葉4枚目展開時(草丈15から20cm前後)が定植適期。
 定植直後の活着をスムーズに促すために、草丈10cm程に葉を切りそろえポットにタップリと潅水しましょう。
条間、株間10から15cm前後に1ポット(5から10株)定植しましょう。この場合、防草、土壌水分保持の目的で9515マルチや3715マルチを用いると株揃いが良くなります。チェーンポット利用時は、畝幅30cmから45cmで十分です。
 機械での中耕を考えている方は60cm程度畝幅を取りましょう。いずれの定植方法でも定植時に粒状殺虫剤を散布しアザミウマ、ハモグリバエ、タネバエ、ネキリムシを防除しましょう。
 霜の危険性がある時期は不織布やトンネルを用います。

土壌条件

施設栽培等でECの測定が可能な場合は、
0.3から0.6ms/cmで窒素、カリ成分を上記施肥量の2/3から1/2量施肥、
0.3から0.6ms/cmで1/2から1/3量施肥。0.8ms/cm以上の場合は無施用で栽培。

肥料

PH6.0から6.5に酸度矯正し、10aあたり窒素:リン酸:カリ=10:10:10kg基肥施肥
 強い降雨の危険性がある季節には雨よけトンネルや防虫トンネルが有効です。施設を利用する場合は、既述の生育適温を維持できるよう遮光資材や換気でコントロールしてください。
 葉が命のネギです!薬剤ローテーションの実施やウィンドスター等の忌避剤を利用しアザミウマやヨトウムシ、べと病やさび病の防除を徹底してください。
草丈45cmの頃、様子を見て10aあたり窒素:リン酸:カリ=6:2:6kg程度追肥。

収穫

草丈60cm、株径1.5cm前後が収穫適期です。
2、3株で約100gになります。
ちゃんこ葱の出荷袋を利用して出荷すると良いでしょう。
夫婦労力だと1000から1500袋/日出荷が限界です。計画的な作付け出荷を心がけましょう。

料理

香り、風味を生かして薬味、浅漬け。焼きネギ、鍋料理、炒め物と様々な用途で利用できます。